WordCamp Asia 2020 とは
WordCampが各地域で開催されているWordPressに関する大きなカンファレンスである事はみなさんご存知の通りかと思いますが、WordCamp Asia はアジア圏で開催される記念すべき初のフラッグシップWordCampとなるはずでした。
フラッグシップWordCampというのは、世界規模の広域WordCampといった所でしょうか。今までで言えばWordCamp US 及び WordCamp Europe がこれに該当します。世界中の有名な開発者やWordPressでビジネスを行う企業が集まるワールドクラスのビッグイベントです。
ベクトルと WordCamp Asia のかかわり
こういったフラッグシップWordCampへのスポンサー出展も見据えて昨年 WordCamp Europe に視察にいったりもしたのですが( レポートはこちら )、まだ時期尚早かなと思っていたら、「いちばんやさしいWordPressの教本」などで共著させていただいている大串さん率いる m-g-n さんがスポンサー出展するという事で、大串さんから
「僕らスポンサー出してるけど特に自社製品とかあるわけじゃないから日本のテーマを紹介しようと思うんだけど、一緒になんかやらへん?お金いらんから。」
というアンビリーバブルなお声がけをいただきまして、Lightningもアピールするつもりでチラシなどの準備作業を進めていました。
幻と消えた WordCamp Asia 2020
しかしながら、コロナウィルスの感染者が次第に増加し非常に厳しい情勢となりました。
自分も開催されるなら行く。イベントが中止になったら行かないというつもりで開催まであと1週間というタイミングで WordCamp Asia 2020 が中止というアナウンスが公式に発表されました。
開催に向けて並々ならぬ準備を重ねていた実行員のみなさんにとって断腸の思いであった事は明白で、非常に残念ではありますが賢明な判断であったと思います。
渡航判断
公式なWordCampとしては中止となり、このご時世に渡航するとか常識を疑う方も多々おられるとは思います。僕も本当に直前までどうしようか迷いつつも以下の理由などで行ってきました。
- 当初3人で渡航予定だったが、弊社デベロッパーの大橋君は行かない判断をしたものの、もう一人同行予定だった方が行くという事で、彼は英語はわからないと聞いていたので、一人で行かせるのは申し訳ない気がした
※本人から「全然一人でも大丈夫ですよ」とは事前に何度も何度も言われており、事実、現地で全然一人で行動していて逞しかった… - 英語堪能な大橋君が今回行かないという状況において、行かない選択をする方が自分にとって楽だったので逃げになる気がした
- キャンセルしてもビタ一文戻ってこない
- 名古屋市内でも既に感染者が複数出ており、サイレントホルダーが多数存在すると思われるので、国内よりタイの方がウィルスホルダーは少なく感染リスクが低い
- 空港までバイクで直行すれば電車内で感染してタイに持ち込んでしまうというリスクも少ない
そして、行った事によって否定的に思う方もいると思うので、今回レポートも書かないつもりだったのですが、来年同じバンコクでWordCamp Asia 2021開催が決定した事もあり、バンコクに行ったからには、今回渡航を断念した人に何かフィードバックしないと逆に意義がないとも思い、今回の知見をシェアさせていただこうと思い書く事にしました。
今回も100人前後の日本人が参加する予定だったと伺っています。2021にもっと沢山の人が参加して、より盛り上がるWordCampになればと思います。
旅券の予約など
旅費について
今回ホテル5泊&LCCでのフライトを約5ヶ月前に3人で予約。早割&キャンセル不可という条件でお一人様4万円代でした。
※厳密にはフライトを取り直しているのでもっとかかっている。
現地で使ったのは5日間でおおよそ4500バーツ(15,615円)。
※現地での移動費はカードで払っているので別途(後述)
※現地で参加したツアー費用は別途(後述)
ホテルとフライトは別で予約する…
予約は前回の WordCamp EU 2019 と同じくエクスペディアでとったのですが、最終日24日まで宿泊、24日の夜のフライトのつもりで予約したら、24日午前深夜発のフライトになっていて、LCCでとったのでフライト変更料で後から追加で変更手数料一人9千円くらいかかりました…。
自動ブッキングだとこういう事が発生しますし時差で間違いやすいので、宿とフライトはバラバラに予約するのがオススメです。
LCC AirAsia について
寒いって言うほど寒くはない
今回はLCCのAirAsiaを使いました。WordPress業界の複数の人から「AirAsiaは寒いから注意しろ」と散々脅されていたので、今回真冬の装備とエマージェンシーブランケット(銀シート)まで持ち込むという万全の装備で挑みましたが、普通にTシャツ+厚手のパーカーくらいなら問題ありません。足元は冷えるので、ひざ掛け用の上着などがあった方が望ましいです。
よくよく考えたら該当のアドバイスをする人は普段極めて薄着な人たちでした…。
装備はLCCなので…
- LCCなのでとりあえず座席狭い。肘あたる。長距離バス4列ノーマルシートと同じレベル。それでバスと違って途中休憩とかないので結構キツイ。
- 窓とか汚れたまま。
- 椅子なども使い込まれてる感半端ない。
- 前の座席の後ろにフライト情報とか出ないのでどこ飛んでてあとどれくらいで着陸なのか予想し辛い。
もちろんそのおかげて超絶安い金額でいけるので、自分にとってはありがたいですが、まぁ疲れるのは間違いないデス。LCCの乗り継ぎとかちょっと無理ですね…。
現地のネット環境
僕は今回は海外で使えるAIRSIMというのをAmazonで買っておきました。これはSIMカードだけで、専用のアプリをスマホにインストールして、どこの国で何日間使うのかをアプリ内で購入すれば使えます。
ドンムアン空港は普通にWi-Fi入るので、空港でのセットアップでも問題ないと思います。
僕のスマホはAndroidでしたが、スマホ側でローミングだけ許可して、優先SIMカードをAIRSIMにしただけで、APN設定などは自動で設定されました。
Amazonでのカードの価格が500円で、確か7日間分のチャージで1500円くらい。
ただし、空港でもSIMカードは安く買えるし、空港での購入は現地販売員の方がセットアップもしてくれるらしいので、それもありかなとは思います。
※英語のコミュニケーションが必要そうですが…。
現地での移動
Grabがとても便利
タイでは Uber みたいな Grab というサービスがあります。アプリで目的地と出発地を登録すればすぐに迎えに来てくれるし、支払いもアプリ内でカードで行えるのでぼったくられる心配もありません。
日本でアプリをインストールしてアクティベーションする事
アプリのアクティベーションには電話番号が必要なので、予め日本でインストール・アクティベーションしておいた方が安心です。
アプリにストレージのアクセス許可を与えておく
待ち合わせ場所はマップ上にピンが立ちますが、具体的にどこで待っているのか伝えるために写真を送る事が多いです。しかしながら、アプリにストレージのアクセス許可を与えないと写真が送れません。
アプリをインストールした時にアクセス権限の許可が求められますので許可するようにして、もしチャット欄にカメラアイコンが出ない場合は、スマホのアプリ管理画面からGrabアプリのアクセス権限を確認しましょう。
Grab Taxi と Grab Car と Grab Bike
呼びつけられるのはいろいろありますが、近くにいてつかまりやすいのはやはりGrabTaxiかなと思います。文字とおりタクシー会社の車です。GrabCarはいわゆる個人。白タク。
料金について
日本と違って全然安いです。空港からホテルまで確か45分くらい乗っても日本円で1500円くらい。ホテルから近くの観光地や友達との待ち合わせなどで移動するのも概ね日本円で200円〜450円くらいの印象。
今回他の人は電車とかも使ってましたが、僕は全部GrabTaxiで移動しました。
Grab Bike
日本では信じられませんがバイクのタクシーがあります。もちろん乗る方はノーヘル…。めっちゃ沢山走ってます。そして車より安い。
そしてタイは車間距離・運転スピード・すり抜けが日本の比じゃないので、ちょっと僕は怖くて遠慮しました…。
スリルを楽しみたい人は一度くらい乗ってみても良いのでは…。
トゥクトゥク
タイでの観光客向けの脚としてはトゥクトゥクというのがあります。
独自の改造がされてて乗ってて楽しいのですが、そもそも歩いていると勧誘が多かったり、ぼったくられたりするので Grab Taxiの方が安くて安心。
アイコンサイアムへの移動
会場であるアイコンサイアムは川沿いにあるのですが、この川を渡る船は基本的に無料で乗れます。
通貨と両替・引き出し
タイの通貨はバーツ。概ね バーツ ✕ 3.5 が日本円です。とりあえず空港でも両替できます。
街中のATMキャッシングは手数料が高い
現金がなくなったら街中いたる所にあるATMでクレジットカードからキャッシングできます。ただし…
手数料が高い!
僕が使ったのは一度落とすのに220バーツかかりました。220バーツって事は日本円で…
ねぇ…お高いでしょ?
引き出す金額を変更しても手数料表記は同じだったので、こまめに何度も出すよりは出すなら一気に出した方が良いです。
アイコンサイアムで日本円を両替できる
今回のWordCamp Asia の会場であるICONSIAMは巨大なショッピングセンターなのですが、1階で日本円で両替できる場所があり、ATMでキャッシングするよりよっぽどお得との事。
現地観光について
バンコク周辺には観光資源が沢山あります。
歴史建造物が好きな方なら、バンコク市内で1日、アユタヤ遺跡で1日あたり考えるのが個人的にはオススメです。
バンコク市内
市内には三大寺院など豊富な観光資源がありますが、Grabなどで手軽にアクセスできます。おそらく3大寺院+グランドパレスでちょうど朝から夕方くらいなのではないかなと思います。
グランドパレス / ワット・プラケオ は閉まるのが早い
グランドパレスとワット・プラケオは王宮内にあるのですが、15:30に閉まってしまうので、見学を検討している方は早めに行く必要があります。
グランドパレスは入場料が500バーツとちょっとお高いです。
位置と時間を考慮すると、
- ワット・アルン(*16:30まで) → 川を船で渡る
- グランドパレス & ワット・プラケオ(*15:30まで)
- ワット・ポー(*18:30まで)
の順で巡るのが良いのではないかと思いました。
アユタヤ遺跡
今回、他の日本のメンバーが現地の日本語ガイド(日本人ではない)つきのツアーに申し込むというので、一緒に参加させていただきました。
お値段が日本円にしてお一人様約14,000円という決して安くはない値段なのですが、主要な遺跡を効率よく回れて(コロナウィルスの影響で観光客が激減していたから快適だったという可能性があります)道中・現地でぼったくりなどもない安心料だと思えば全然アリだと思います。
上級者ならもっと安くいけたかもしれませんが、安心して遺跡を満喫できるツアーで僕は満足でした。
最後はライトアップされた遺跡を見ながらディナー
最後に
今回はみなさんの参考になるかなと思う部分だけを紹介させていただきました。実際の旅の雰囲気などはまた機会があれば別途紹介したいと思います。
実は今回の日程中に思いがけずものすごく大きな収穫があって、状況が状況ではありましたが、タイに行って本当によかったと思います。数カ月後くらいに発表できたらいいなと思っていますのでお楽しみに。
ではみなさん、11ヶ月後、バンコクでお会いしましょう。
この記事を書いた人
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名古屋のウェブ制作会社数社に10年程度務めた後、株式会社ベクトル設立。
企画・運営・コンサルティング〜WordPressを中心としたシステム開発まで幅広く携わる。
[ 著書 ]
・いちばんやさしいWordPressの教本(共著)
・現場でかならず使われているWordPressデザインのメソッド(共著)
[ 最近のWordPressコミュニティでの活動 ]
WordCamp Tokoy 2023 セッションスピーカー
WordCamp Asia 2023 セッションスピーカー(LT)
WordCamp Niigata 2019 セッションスピーカー
WordCamp Haneda 2019 セッションスピーカー
WordCamp Osaka 2018 セッションスピーカー
WordCamp Kyoto 2017 セッションスピーカー
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