2022年11月1日にリリース予定 WordPress 6.1 の一部をご紹介
たくさんある新機能の追加、強化、修正などの中から気になる機能をピックアップしてご紹介します。また、この記事を読むことで、WordPress のリリースに関する基本的なことや、ここ最近のテーマに関する情報も知ることができます。
※この記事は、WordPress 6.1リリース候補版 3 を元に書いています。
- 1. WordPress のリリースについて
- 1.1. メジャーリリースとマイナーリリース
- 1.2. WordPress のリリース情報
- 1.2.1. リリースサイクル
- 1.3. ベータ版やリリース候補版を試す方法
- 2. 最近のテーマに関する予備知識
- 2.1.1. フルサイト編集
- 2.1.2. ブロックテーマ
- 2.1.3. クラシックテーマ
- 2.1.4. theme.json
- 3. WordPress 6.1の気になる新機能
- 3.1. 新しいデフォルトテーマ Twenty Twenty-Three がリリース
- 3.2. 一般の「キャッチフレーズ」が空になった
- 3.3. パーマリンクが「概要」にまとめられた
- 3.4. 常にリストビューを開いておく設定ができるようなった
- 3.5. カラーパレットが使いやすくなった
- 3.6. 内部のブロックにも一括でロックを適用できるようになった
- 3.7. カバーでアイキャッチ画像を使えるようになった
- 3.8. リスト項目ごとに移動できるようになった
- 3.9. いくつかのブロックでマージンの設定ができるようになりました
- 3.10. パディングやマージンが青色で表示するので分かりやすくなった
- 3.11. 画像に枠線を付けられるようになった
- 3.12. カラムに枠線を付けられるようになった
WordPress のリリースについて
まず最初に、WordPress のリリースについて基本的なことをまとめてみました。すでに知っている方は読み飛ばしてください。
メジャーリリースとマイナーリリース
WordPressには、メジャーリリースとマイナーリリースの2つあります。バージョン番号で区別できます。
- メジャーリリース:6.0、5.9、5.8のように小数点がひとつ。新機能の追加や変更を含む大きなリリース。
- マイナーリリース:6.0.3、6.0.2、6.0.1のように小数点が2つ。バグやセキュリティを修正するためのリリース。
なお、1つ目の数字に特に重みはなく、5.9から6.0のように5から6に上がっても、特別に大きいアップデートが行われるわけではありません。
執筆時点では以下がそれぞれの最新です。
- メジャーリリース:WordPress 6.0(2022年7月1日)
- マイナーリリース:WordPress 6.0.3(2022年10月18日)
次に予定されているメジャーリリースが、WordPress 6.1です。2022年11月1日にリリース予定となっています。
バージョン番号やリリースについては、WordPress.org の日本語による公式ローカルサイトも参考にしてください。
また、これまでのリリース一覧は、以下にて確認できます。
なお、メジャーリリースには、ジャズミュージシャンの名前がつけられています。
WordPress のリリース情報
WordPressのリリース情報は、日本語ローカルサイトの「ニュース」で入手できます。
https://ja.wordpress.org/news/
記事のカテゴリー「Releases」を参考にするとよいでしょう。
https://ja.wordpress.org/category/releases/
リリースサイクル
正式版リリースまでは、以下の流れで行われているようです。
- フェーズ1: 計画とチームのリード役の確保
- フェーズ2: 開発作業開始
- フェーズ3: ベータ版公開
- フェーズ4: リリース候補版公開
- フェーズ5: 正式版リリース
現在、WordPress 6.1リリース候補版 3(WordPress 6.1RC3)が公開されています。
ベータ版やリリース候補版を試す方法
いくつか方法がありますが、プラグイン WordPress Beta Tester を利用すれば簡単です。WordPressの管理画面からインストールできます。
本番環境ではなく、必ずテスト環境でお試しください。テスト環境の構築には「Local」が使いやすくてオススメです。
最近のテーマに関する予備知識
次に、ここ最近のテーマに関する予備知識を簡単にまとめました。こちらもすでに知っている方は読み飛ばしてください。
フルサイト編集
Full Site Editing、略すとFSE。WordPress 5.9 から実装された機能です。フルサイト編集に対応したテーマであれば、外観 > エディターから編集できます(現在はまだベータ)。ヘッダーやフッターなど今までカスタマイズが難しかったエリアも、ブロックで簡単・柔軟に構築できます。
ブロックテーマ
フルサイト編集に対応したテーマのことをブロックテーマと呼びます。WordPress 5.9で導入されたデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Two」や、ベクトル製であれば「X-T9」がブロックテーマです。
クラシックテーマ
従来からあるテーマのことをクラシックテーマと呼びます。ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 はクラシックテーマとなります。
theme.json
ファイル名「theme.json」。テーマフォルダ直下にあり、テーマを構成するファイルのひとつです。theme.jsonはブロックテーマで使われています。テーマで使用する主にブロックエディタの設定やスタイルなどをJSON形式で記述したものです。クラシックテーマでも、WordPress5.8以降でtheme.jsonに対応していれば、機能を利用できます。
WordPress公式ハンドブック:グローバル設定とスタイル (theme.json)
補足
- Lightningの今現在のバージョンにはtheme.jsonは含まれていません。Lightning 15.0.0 より、テーマ内に theme.json ファイルを追加する予定です。一般配布に先行して、theme.jsonを含めたテスト用テーマデータをお試しいただけます。
- WordPress6.1へアップデートしても、ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 では、フルサイト編集に関連する機能は有効化されないようになっています。
WordPress 6.1の気になる新機能
それでは本題です。WordPress 6.1リリース候補版 3を元に、気になった機能などをピックアップしてご紹介します。
ブロックの新機能は、Lightning とテーマ Twenty Twenty-Three(以下で紹介) で確認してみました。新機能のうち、今現在のLightningでは利用できないものがありますので、ご留意ください。
新しいデフォルトテーマ Twenty Twenty-Three がリリース
新しいブロックテーマ Twenty Twenty-Three が同梱されています。テーマスタイルがたくさん用意されていて、選ぶと簡単にスタイルを変更できるようです。
一般の「キャッチフレーズ」が空になった
管理画面の設定 > 一般 の「キャッチフレーズ」が空になりました。これまでデフォルトで入っていた「Just another WordPress Site」が、グレーの文字でプレースホルダー(入力例)になっていました。キャッチフレーズを変更し忘れる人が多かったからでしょうか。
検索エンジンの検索結果で「サイト名 | Just another WordPress site」と表示されているウェブサイトをたまに見かけることがありましたが、そのようなサイトはこれから減っていくとよいですね。
パーマリンクが「概要」にまとめられた
パーマリンクが「概要」という中にまとめられて、表示状態や公開日時の並びに移動しました。
常にリストビューを開いておく設定ができるようなった
編集画面右上の「⋮」から呼び出せる「設定」から、常にリストビューを開く設定ができるようになりました。ブロックエディタに慣れていない人は、しばらくは常にリスト表示しておくと分かりやすくてよいかもしれません。
サーバーのデータベースに保存されるので、異なるブラウザや他のデバイスでログインしても設定は保持されます。
カラーパレットが使いやすくなった
カラーパレットのUIが少し変わりました。カラーコードの指定やコピーが1画面で済むので、使いやすくなったと感じました。
内部のブロックにも一括でロックを適用できるようになった
グループやカバーブロックなど、内部のすべてのブロックに一括でロックできるようになりました。
サーバーのデータベースに保存されるので、異なるブラウザや他のデバイスでログインしても設定は保持されます。
カバーでアイキャッチ画像を使えるようになった
カバーブロックで画像を指定するときに「アイキャッチ画像を使用」が追加されました。記事にアイキャッチ画像が設定されている状態であれば使えます。
こちらはLightningでも使えますが、主にフルサイト編集向けの機能です。
リスト項目ごとに移動できるようになった
リスト項目もブロックになったので、リスト項目ごとに移動できるようなりました。
いくつかのブロックでマージンの設定ができるようになりました
段落、カラム、カバーなどいくつかのブロックでマージンの指定ができるようになりました。また、UIも変わりました。
theme.jsonを追加したLightningであれば、機能を利用できます。
パディングやマージンが青色で表示するので分かりやすくなった
段落やカラムブロックなどでパディングやマージンを指定する際、瞬間に青色で表示されるようになったので、視覚的に分かりやすくなりました。
画像に枠線を付けられるようになった
画像に枠線をつけて、色や線の太さを指定できるようになりました。
theme.jsonを追加したLightningであれば、機能を利用できます。
カラムに枠線を付けられるようになった
カラムにも枠線を付けられるようになりました。
theme.jsonを追加したLightningであれば、機能を利用できます。
以上、一部ですが、気になった機能をピックアップしてご紹介しました!
WordPress6.1の新機能を一緒に見てみませんか?
2022年10月27日(木) 20時〜オンライン開催のVWS勉強会では、この記事で紹介したブロックエディタ周りの新機能を実際の画面を見ながら触っていきますので、「どんな感じかな」と気になる方はぜひご参加ください。また、開発リーダー石川もWordPress6.1についてお話しする予定です。ご参加は無料です。
この記事を書いた人
フルサイト編集対応ブロックテーマ
WordPress テーマ X-T9 は、WordPress 5.9 から実装されたフルサイト編集機能に対応した「ブロックテーマ」と呼ばれる新しい形式のテーマです。
ヘッダーやフッターなど、今までのテーマではカスタマイズが難しかったエリアもノーコードで簡単・柔軟にカスタマイズする事ができます。
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