2023年11月7日にリリース予定 WordPress 6.4 の一部をご紹介
たくさんある新機能の追加、強化、修正などの中から気になる機能をピックアップしてご紹介します。また、この記事を読むことで、WordPress のリリースに関する基本的なことや、ここ最近のテーマに関する情報も知ることができます。
※この記事は、WordPress 6.4 リリース候補版 2(RC2) を元に書いています。
- 1. WordPress のリリースについて
- 1.1. メジャーリリースとマイナーリリース
- 1.2. WordPress のリリース情報
- 1.2.1. リリースサイクル
- 1.3. ベータ版やリリース候補版を試す方法
- 2. 最近のテーマに関する予備知識
- 2.1.1. フルサイト編集(サイトエディター)
- 2.1.2. ブロックテーマ
- 2.1.3. クラシックテーマ
- 2.1.4. theme.json
- 3. WordPress 6.4の気になる新機能
- 3.1. 新しいデフォルトテーマ Twenty Twenty-Four がリリース
- 3.2. 管理画面での変更点
- 3.2.1. 「新規追加」リンクの目的が明確に表示
- 3.3. 新規インストールの環境で添付ファイルページが無効に
- 3.4. ブロックエディターの変更点
- 3.5. 画像ブロックにLightboxの機能が追加
- 3.6. リストビューに画像プレビューが表示されるようになった
- 3.7. グループブロックに名前を付けられるようになった
- 3.8. グループブロックに背景画像を設定できるようになった
- 3.9. ソーシャルリンクアイコンに「X」と「Threads」が追加された
- 3.10. パターンの変更点
- 3.10.1. カテゴリーで管理できるようになった
- 3.10.2. インサーターにフィルターが追加された
- 3.10.3. [ブロックテーマ] パターンのエクスポート・インポートが可能に
WordPress のリリースについて
最初に、WordPress のリリースについて基本的なことをまとめてみました。すでに知っている方は読み飛ばしてください。
メジャーリリースとマイナーリリース
WordPressには、メジャーリリースとマイナーリリースの2つあります。バージョン番号で区別できます。
- メジャーリリース:6.0、5.9、5.8のように小数点がひとつ。新機能の追加や変更を含む大きなリリース。
- マイナーリリース:6.0.3、6.0.2、6.0.1のように小数点が2つ。バグやセキュリティを修正するためのリリース。
なお、1つ目の数字に特に重みはなく、5.9から6.0のように5から6に上がっても、特別に大きいアップデートが行われるわけではありません。
執筆時点では以下がそれぞれの最新です。
- メジャーリリース:WordPress 6.3(2023年8月8日)
- マイナーリリース:WordPress 6.3.2(2023年10月13日)
次に予定されているメジャーリリースが、WordPress 6.4です。2023年11月7日にリリース予定となっています。
バージョン番号やリリースについては、WordPress.org の日本語による公式ローカルサイトも参考にしてください。
また、これまでのリリース一覧は、以下にて確認できます。
なお、メジャーリリースには、ジャズミュージシャンの名前がつけられています。
WordPress のリリース情報
WordPressのリリース情報は、日本語ローカルサイトの「ニュース」で入手できます。
https://ja.wordpress.org/news/
記事のカテゴリー「Releases」を参考にするとよいでしょう。
https://ja.wordpress.org/category/releases/
リリースサイクル
正式版リリースまでは、以下の流れで行われているようです。
- フェーズ1: 計画とチームのリード役の確保
- フェーズ2: 開発作業開始
- フェーズ3: ベータ版公開
- フェーズ4: リリース候補版公開
- フェーズ5: 正式版リリース
現在、WordPress 6.4 リリース候補版 3が公開されています。
ベータ版やリリース候補版を試す方法
いくつか方法がありますが、プラグイン WordPress Beta Tester を利用すれば簡単です。WordPressの管理画面からインストールできます。
本番環境ではなく、必ずテスト環境でお試しください。テスト環境の構築には「Local」が使いやすくてオススメです。
最近のテーマに関する予備知識
次に、最近のテーマに関する予備知識を簡単にまとめました。こちらもすでに知っている方は読み飛ばしてください。
フルサイト編集(サイトエディター)
Full Site Editing、略すとFSE。WordPress 5.9 から実装された機能です。フルサイト編集に対応したテーマであれば、外観 > エディターから編集できます。ヘッダーやフッターなど今までカスタマイズが難しかったエリアも、ブロックで簡単・柔軟に構築できます。
補足
WordPress6.4へアップデートしても、ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 では、フルサイト編集に関連する機能は有効化されないようになっています。
ブロックテーマ
フルサイト編集に対応したテーマのことをブロックテーマと呼びます。WordPress 6.1で導入されたデフォルトテーマ「Twenty Twenty-Three」や、ベクトル製であれば「X-T9」がブロックテーマです。
クラシックテーマ
従来からあるテーマのことをクラシックテーマと呼びます。ベクトル製テーマ「Lightning」や「Katawara」 はクラシックテーマとなります。
theme.json
ファイル名「theme.json」。テーマフォルダ直下にあり、テーマを構成するファイルのひとつです。theme.jsonはブロックテーマで使われています。テーマで使用する主にブロックエディタの設定やスタイルなどをJSON形式で記述したものです。クラシックテーマでも、WordPress5.8以降でtheme.jsonに対応していれば、機能を利用できます。
WordPress公式ハンドブック:グローバル設定とスタイル (theme.json)
Lightningはバージョン15.0.0 よりtheme.json に対応しています。
WordPress 6.4の気になる新機能
それでは本題です。WordPress 6.4 リリース候補版 2 を元に、気になった機能などをピックアップしてご紹介します。
新しいデフォルトテーマ Twenty Twenty-Four がリリース
新しいブロックテーマ Twenty Twenty-Four が同梱されています!
パターンには、TT4の新しいパターンがたくさん追加されています。オシャレなパターンですね。
管理画面での変更点
ここでは、クラシックテーマやブロックテーマに限らず、知っておくと良さそうな変更内容をピックアップしました。
「新規追加」リンクの目的が明確に表示
管理メニューや管理ページにある「新規追加」のリンクが、アクセシビリティの向上のために目的が明確に表示されるようです。以下のように変わります。
- 新しい投稿を追加
- 新しいメディアの追加
- 新しいページを追加
- 新しいプラグインを追加
- 新しいユーザーを追加
新規インストールの環境で添付ファイルページが無効に
WordPressでは、メディアにアップロードしたファイルに自動で添付ファイルページが作成されます。添付ファイルページとは、たとえば画像だと、画像だけが表示されるページのことです。
WordPress6.4では、新規インストールした環境でのみ、この添付ファイルページが無効化されるようです。それに伴い、「添付ファイルのページを表示」のリンクは「メディアファイルを表示」に変更されます。なお、既存のサイトを6.4にアップデートしても、添付ファイルページは無効化されません。
ブロックエディターの変更点
「X-T9」や「Lightning」でも使える機能に注目しました。
画像ブロックにLightboxの機能が追加
画像ブロックにLightboxの機能「クリックで拡大」が追加されています。簡易的な機能でOKであれば、プラグインを追加しなくてもよさそうですね。
リストビューに画像プレビューが表示されるようになった
リストビューに、画像ブロックやギャラリーブロックの画像プレビューが表示されるようになります。どのブロックか識別しやすくなりますね。
グループブロックに名前を付けられるようになった
グループブロックにブロック名を付けられるようになります。「高度な設定」でブロック名を入力するか、リストビューからも名前の変更が可能です。
グループブロックに背景画像を設定できるようになった
こちらは「X-T9」や「Lightning」でも使えるように、現在対応中です!
グループブロックに背景画像を設定できるようになります。これは便利ですね!
ソーシャルリンクアイコンに「X」と「Threads」が追加された
ソーシャルリンクアイコンブロックに「X」と「Threads」が追加されました。Twitterのアイコンはそのまま残っていますので、設置済みのアイコンをXに変更する場合は、差し替えが必要です。
パターンの変更点
パターン便利ですよね!こちらも「Lightning」や「X-T9」で利用できる機能です。
カテゴリーで管理できるようになった
パターンの作成時にカテゴリーを指定できるようになります。
インサーターにフィルターが追加された
インサーターから、すべてのパターンや任意のカテゴリーを選ぶと、フィルターが追加されています。絞り込んで探しやすくなります。
[ブロックテーマ] パターンのエクスポート・インポートが可能に
Lightningなどクラシックテーマでは、以前から、JSON形式でのパターンのエクスポート・インポートが可能でした。WordPress6.4では、ブロックテーマにおいても、サイトエディター上からできるようになります。
以上、一部ですが、気になった機能をピックアップしてご紹介しました!
参考資料
- WordPress6.4を試してみよう(@tetsuaki_hamano さんありがとうございます!)
この記事を書いた人
フルサイト編集対応ブロックテーマ
WordPress テーマ X-T9 は、WordPress 5.9 から実装されたフルサイト編集機能に対応した「ブロックテーマ」と呼ばれる新しい形式のテーマです。
ヘッダーやフッターなど、今までのテーマではカスタマイズが難しかったエリアもノーコードで簡単・柔軟にカスタマイズする事ができます。
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