WordPressの公式ディレクトリにプラグインを登録・管理するには古くから svn が使用されています。
svn での操作から入った人にはこの記事の内容はご存知と言いますか、知らないとできませんでした。
しかしながら、現在は多くの開発者がGitHubを利用しており、svn のコマンドを叩かなくても、GitHubにタグ付けしたら公式ディレクトリに自動でアップしてくれる GitHub Actions の workflow などが公開されていて、普段はそちらを利用している方がほとんどだと思います。
GitHubから.orgのリポジトリに自動転送する GitHub Action
なぜ svn での手動操作が必要なのか?
.org のリポジトリからは自動で削除されない
先に述べた通りファイルの変更や追加はGitHub Actions で自動で送信処理可能です。しかしながら私の認識では、不要になったファイルをGitHubのリポジトリから削除・コミットしても、.org の svn リポジトリからは自動で削除されません(これ私の認識がもしかして違っているだけで何か自動化の設定があるようでしたらごめんなさい)。
不要なファイルが配信パッケージに残り続けるのはよろしくないので手動で削除する必要があります。
svn でのファイル操作
既存のリポジトリのデータを取得
svn がインストールされているPCで以下のコマンドで、.orgのリポジトリをダウンロードできます。
svn co https://plugins.svn.wordpress.org/プラグインのディレクトリ名 ダウンロード先ディレクトリ名
該当ファイルの削除
ダウンロードしたファイルの中で、trunk ディレクトリの中の不要なファイルを削除します。ただし、普通にGUIでファイルやディレクトリを削除してもsvnからはなくなりません。以下のようにコマンドで削除します。
svn delete 削除対象ファイル名
ちなみに複数同時に削除する場合は以下のようにそのままつなげればOKです。
svn delete 削除対象A 削除対象B 削除対象C
変更のコミット
削除したら以下のようにコミットします。
svn ci -m "コミットメッセージ"
ちなみに以下でも同じです。
svn commit -m "コミットメッセージ"
コミットした時点で .org のリポジトリに送信されます。
最新のリモートと再同期したい場合などは svn update を叩きます。
ユーザー情報の入力
初めて svn でコミットするPCやリポジトリの場合、ユーザー認証をしないと当然ながらコミットに失敗します。
コミットの際に、以下のようにユーザー情報を追加します。
svn ci -m "コミットメッセージ" --username ユーザー名
これでパスワードが聞かれるのでパスワード入力します。リポジトリに対する変更権限があればコミットが成功します。
一度ユーザー指定でログインすれば次回以降は username 指定は不要になります。
以上の手順で .org の svn リポジトリから不要ファイルを削除する事ができます。
ちなみに…
消してはいけない PHP ファイルを間違って消すと重大な不具合を引き起こすので、取り扱いには十分気を付けましょう。
この記事を書いた人
-
名古屋のウェブ制作会社数社に10年程度務めた後、株式会社ベクトル設立。
企画・運営・コンサルティング〜WordPressを中心としたシステム開発まで幅広く携わる。
[ 著書 ]
・いちばんやさしいWordPressの教本(共著)
・現場でかならず使われているWordPressデザインのメソッド(共著)
[ 最近のWordPressコミュニティでの活動 ]
WordCamp Tokoy 2023 セッションスピーカー
WordCamp Asia 2023 セッションスピーカー(LT)
WordCamp Niigata 2019 セッションスピーカー
WordCamp Haneda 2019 セッションスピーカー
WordCamp Osaka 2018 セッションスピーカー
WordCamp Kyoto 2017 セッションスピーカー
他
最近の投稿
- WordPress2024年12月1日ベクトル製品リリースタイムラインから見る開発の裏話と進化の歴史
- WordPress2024年10月30日ブロックテーマで編集権限のユーザーでもメニューを編集できるようにする
- WordPress2024年4月9日WordPress 6.5 で導入された新しい翻訳システムへの対応方法
- WordPress2024年3月16日WordCamp Asia 2024 振り返り
フルサイト編集対応ブロックテーマ
WordPress テーマ X-T9 は、WordPress 5.9 から実装されたフルサイト編集機能に対応した「ブロックテーマ」と呼ばれる新しい形式のテーマです。
ヘッダーやフッターなど、今までのテーマではカスタマイズが難しかったエリアもノーコードで簡単・柔軟にカスタマイズする事ができます。
パターンを使って
よりクオリティの高いサイトに
パターンとは、WordPressのブロックを組み合わせて作ったデザインテンプレートのようなもの。プロのデザイナーが制作したパターンを300以上公開中!コピペしながら高品質なサイトを簡単に作れます。
ブロックエディターで
ABテストを
自由に作成できる VK AB Testing
VK AB Testing は、ABテストを実施するための WordPress 用プラグインです。ブロックエディターでテストパターンを自由に作成でき、ランダム表示とクリック計測が可能です。Webサイトや広告などの施策の改善にぜひご活用ください。